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カテゴリー別アーカイブ: 日記

第26回 花粉症とアレルギー

今回は最もタイムリーに花粉症とアレルギーについて取り上げてみました。

意外と知らない花粉症の知識! 花粉症の症状には主にくしゃみ・鼻みず・鼻づまりがあります。その中でも見逃されがちなのが鼻づまりです。花粉症患者さんの約9割の方に鼻づまりの症状があるといわれています。花粉症は、スギなどの花粉(抗原)が原因となって起こるアレルギー疾患の一つです。特にスギ花粉症は冬の終わりから春にかけて、毎年、くしゃみ・鼻みず・鼻づまりなどの症状で多くの人を悩ませています。日本では、スギのほかにもヒノキ、イネ、ブタクサ、ヨモギなど約50種類の植物が原因で花粉症を引き起こすとされています。花粉症の症状は大きく分けて3つのタイプがあります。花粉症は症状の特徴によって、くしゃみ・鼻みずだけがある「くしゃみ・鼻漏型」、鼻づまりがある「鼻閉型」、全ての症状が同じくらいある「充全型」に分けられます。ご自身の症状タイプを確認し、症状にあった治療を早めに医師または薬剤師に相談しましょう。花粉症はアレルギー疾患に含まれますが、本来アレルギーとは、あるものに対して過敏に反応する状態で、白血球の免疫反応が関係することをいいます。免疫とは、体を守るための防御システムで、体内に入ってきた異物(細菌やウイルス)に対して抗体を作って対抗しようとします。アレルギーは、食物やダニ、花粉など、本来は病原性のないものに対して白血球のリンパ球が特別な抗体(武器)IgEをつくって、過剰な反応を起こしてしまう現象です。アレルギーの原因になる物質をアレルゲンといい、それに対してできた抗体をIgE(免疫グロブリンE)といいます。このIgEを作りやすい体質がアレルギー体質で、遺伝的に決まっています。………DSC_0742

第25回 免疫と白血球

今回は報告が大分遅くなりました。2月17日(水)に開催されました内容です。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA免疫ということばは聞き慣れていますが、日頃の生活で疲労が回復することや病気や傷などが治癒していくのは免疫が働くためです。ストレスに強い体をつくるのも免疫力で、肩こりや腰痛などの体の不調の予防や改善も、実は免疫力の働きなのです。老化や病気の予防も免疫の働きです。免疫力で新陳代謝を活発にします。機能の低下や細胞組織の老化による病気の予防にも免疫力が働きます。免疫力には、がん細胞、ウイルス、病原菌など、本来の自分の細胞と違うものを区別する働きがあります。花粉を食物と判断すべきなのに異物と誤認するのが花粉症です。その認識をする担当は「白血球」なのです。インフルエンザなどのウイルスや病原菌からの感染を防ぐのは「免疫細胞」といわれる白血球です。B細胞の白血球はウイルスに対抗できる武器に相当する「抗体」をつくります。幼少時代のはしかやおたふくかぜに再びかからないのは、白血球のB細胞(Bリンパ球)が一度侵入した外敵(ウイルス)を記憶していて、必ず勝てる武器の「抗体」がつくられるからです。これを「免疫記憶システム」といいます。………

第24回 健康づくり教室 開催

今回も投稿が遅くなりました。健康づくり教室の今回のお話は「動脈硬化」についてです。動脈硬化とはコレステロールが血管の内壁に沈着する病変のことです。動脈は心臓から全身に酸素や栄養たっぷりの新鮮な血液を送る血管で、私たちの体でもっとも重要な生命線といえます。動脈はもともと弾力があり、血液がスムーズに流れるように内壁がなめらかです。動脈硬化とは血管が厚く硬くなり、内壁にコレステロールなどがたまって血液の流れが悪くなる病変のこと。進行すると脳や心臓、足などにさまざまな障害を起こし、生命に関わる危険さえあります。動脈硬化の種類の中で最も多いのが粥状(アテローム)硬化です。脳や心臓などの太い動脈の内膜にコレステロールなどが付着して、盛り上がった部分ができ、内皮から血栓ができる。そのために血管の内腔が狭くなり、血液の流れを妨げるため起こります。血液がドロドロ」とは血液中に含まれる脂質が通常より異常に多い状態(脂質異常症(高脂血症))のたとえで、動脈硬化の原因となります。血液中の脂質の中で問題となるのは、コレステロールと中性脂肪です。これらの原因に食事と運動不足が関わっていることをお話いたしました。DSC_0660

第23回 健康づくり教室 開催

投稿が遅くなりました。12月19日(土)に開催いたしました。今回は「腎と老化」についてです。「腎」とは西洋医学の「腎臓」のことではありません。東洋医学の基本的な考え方である「五行説」という医学論の「五臓六腑」に基づいた表現です。西洋医学での腎臓の働きは「体液である水分や電解質の調整、塩分や老廃物の処理、血圧を上昇させる」の3つの作用が有名ですが、東洋医学の「腎」は体内の水分に関わるだけでなく、もっと生命的に広く関係しています。特に五臓について言えば「五臓とは、肝、心、脾、肺、腎のことで、主な機能は、精気の貯蔵・分泌・生成を行う」とされています。そこで「腎」の位置づけは、生命の維持機能の全般に関わり、内分泌ホルモン系、泌尿生殖器系、神経系を主っています。「腎」の不調和が起こり、働きが弱ることを「腎虚(じんきょ)」といいます。これは老化全般のことを表し、さまざまな症状が現れてきます。その症状を漢方では「腎虚の証(じんきょのしょう)」といい、老化の表れとされています。DSC_0501

第22回 健康づくり教室 開催

今回は「自律神経のはたらき」についてお話いたしました。ヒトの神経には各部分に網の目のように張りめぐらされた細かいネットワークの末梢神経と、そこから集められた情報が、さらに集まっている中枢神経とがあります。中枢神経は脳と脊髄からなっていて、全身に指令を送る神経系の中心的なはたらきをしています。野は頭蓋骨によって、脊髄は脊柱によって守られています。末梢神経は中枢神経と、からだの内外の諸器官に分布する神経と結び、情報の伝達を行っています。また、末梢神経には、体性神経と自律神経の二つがあります。

私たちの体には、頭の先から足の先まで神経が張りめぐらされて、このシステム全体を「ナーバスシステム」といいます。体性神経は自分の意志で体を動かし、知覚や運動を支配しています。そして、自律神経は意志とは無関係に体の各部分を終日コントロールして、生命活動を支配する重要な神経系です。自律神経のおかげで、眠っているときでも呼吸ができ、血液は常時流れている、胃で食べ物が消化される、小腸で栄養が吸収される、老廃物や疲労物質を集めて便や尿で排泄するなど、全て自分の意志とは関係なくはたらいております。その自律神経には交感神経と副交感神経の2種類があり、それらが正反対のはたらきをして、バランスよくはたらくことで健康は保たれるのです。そして、最近では自律神経の乱れが原因の病気がDSC_0491……。

第21回 健康づくり教室 開催

平成27年10月17日(土)に開催しました。今回は三大栄養素のタンパク質を取り上げてみました。タンパク質とは何でしょう?生命の根底をつくる最も大切な栄養素、それがタンパク質です。ヒトの身体は、頭のの先からつま先まで全てタンパク質でできています。私たちが食べたり、ものを見たり、歩いたり、考えたりできるのも、そして病気になったりするのも、全てタンパク質がかかわっています。タンパク質体重の約1/5を占め、血液や筋肉などの体をつくる主要な成分であるとともに、酵素などの生命維持に欠かせない多くの成分にもなります。エネルギー源としてもつかわれることもあります。

私たちの身体の細胞は日々分解され(異化)、新しくつくられて(同化)います。異化>同化は病気のの発症や老化現象が進み、異化=同化という同じレベルで保たれるときは、私たちは健康でいられます。そのためには栄養という材料が必要となります。このときに一番重要な栄養素がタンパク質です。体をつくっているタンパク質の一部は常に分解され、食べたタンパク質と合わせて、作り直されます。タンパク質の材料には、体の中でつくることができないもの(必須アミノ酸)もあるため、私たちは毎日食べ物からタンパク質を補給しなくてはなりません。栄養素の中で最も重要といっても過言ではありません。……DSC_0487

第20回 健康づくり教室 開催

平成27年9月19日(土)に開催いたしました。今回はヒトが生きていくうえで絶対に必要な栄養素「ビタミン・ミネラル」についてお話させていただきました。ビタミンとミネラルは食事などを通じて、毎日摂らなければなりません。一部のビタミンは腸内善玉菌がつくりますが、ミネラルだけは体の中でつくることができませんので、外から摂るしかないのです。

ビタミンというと、まず“活力”とか“健康”をイメージする方が多いのですが、実際に、ビタミンの「ビタ」(VITA)は「生命」とか「活力」を意味する言葉で、生命に不可欠な物質という意味をこめて名づけられました。正に、三大栄養素である糖質・脂質・タンパク質などとともにヒトが生きていくための必要不可欠な栄養素の一つなのです。ビタミンは体の中で三大栄養素の代謝を助ける働きをしており、ミネラルと並んで微量栄養素といわれます。糖質・脂質・タンパク質のように、エネルギーになるものではありませんが、それがないと人体という“機械”がスムーズに動かない、いわば“潤滑油”のような働きをしています。……

第19回健康づくり教室 開催

8月5日(水)に第19回健康づくり教室を開催させていただきました。

今月は中旬にお盆休みがありますので、上旬の開催となりました。今回は「酵素と体」についてお話させていただきました。

私たちにとって酵素が重要と説いたのは米国の医学者、エドワード・ハウエル博士です。1985年に博士が書いた「酵素栄養学」は、酵素と食事と健康について詳細に書かれた内容で、現在の多くの酵素に関する書籍や学説が、この「酵素栄養学」の影響を受けています。日本では、名古屋大学出身の故 八木國雄先生や内視鏡で有名な新谷弘美先生が「酵素」の総合的な働きを推進しています。

酵素は食物にも含まれていますが、重要なのはヒトの体内にある2種類の体内酵素です。ヒトの体内でつくられる酵素はヒトそれぞれ遺伝子によって一定量が決まっており、無尽蔵ではなく限界があるということです。体内酵素には消化酵素と代謝酵素があります。消化酵素は食べ物を消化分解し、その栄養を吸収するための酵素です。一方、代謝酵素は消化酵素によって栄養素がエネルギーに変換されたら、それをからだの中で働かせるのが役目です。運動、呼吸、脳での思考、老廃物の排泄、ウイルスと戦う、お肌の新地代謝など、ヒトの生命活動のあらゆる面で無数の代謝酵素が働いています。代謝酵素がとても重要であることは明らかです。………OLYMPUS DIGITAL CAMERA

第18回健康づくり教室 開催

7月18日(土)に第18回健康づくり教室を開催させていただきました。

今回は「ガン(悪性腫瘍)」についてお話いたしました。人体は1日で1兆個の細胞を入れ替えています。不要になった細胞は死んで、その近辺の元気な細胞を分裂させて2個にし、その1つを失った細胞に入れ替えて成長させます。人体の総細胞数は60兆個で、単純に計算をすれば、毎日1兆個が、1カ月で30兆個、2ヶ月で60兆個全てが入れ替わります。入れ替わるため細胞の数が一定なのです。細胞は入れ替わりという新陳代謝を繰り返し、常に新しくすることで、人の生命維持が保たれています。新陳代謝において細胞を壊して新たに造り返るに際に働くのは、遺伝子の設計図を持つDNAと、設計図をコピーして各細胞に伝達するRNAです。DNAとは細胞1個の中の核にある46本の染色体の構成物質のことで、遺伝子といいます。このDNAとRNAの働きで、体の細胞は遺伝どおりに復元されていきます。復元されたときに、新しい細胞は生まれ変わり、古い細胞はアポトーシス(細胞死)をしていきます。お肌の細胞であれば、皮膚が垢(アカ)として剥がれ落ちることがアポトーシスということです。アポトーシスは生体を良い状態に保つために行われる細胞死であるといえます。ところが1日1兆個もの細胞分裂が行われていると、DNAの複製を失敗してしまうことが起こります。そして、正常なアポトーシスが行われないと、それがガン細胞となっていきます。人間は1日5000個ぐらいのDNA複製ミスによりガン細胞が発生していますが、免疫細胞により全て消滅されているのが健康な体といえます。その免疫細胞のトップはNK(ナチュラルキラー)細胞で、7割が腸内善玉菌によてつくられております。……OLYMPUS DIGITAL CAMERA

第17回健康づくり教室開催

6月17日(水)に第17回健康づくり教室を開催させていただきました。

今回は「腸内フローラ」についてです。私たちの腸内にはたくさんの細菌がすみついています。細菌といっても害を与えるだけではありません。特に大腸内には100種類以上で100兆個以上の腸内細菌が常在しています。小腸の終わりの部分(回腸)から大腸にかけて多種多様の細菌が種類ごとにまとまりをつくって、びっしりと腸内に壁面をつくって生息している状態です。この様相は、まるで植物が種類ごとに集団をつくって群れているお花畑の様子ともたとえられ、これらを「腸内フローラ(腸内細菌叢/ちょうないさいきんそう)」と呼ばれているのです。その腸内細菌を大きく分類すると、乳酸菌・ビフィズス菌などのような「善玉菌」、ウェルシュ菌・ブドウ球菌・有毒大腸菌などのような「悪玉菌」、どちらともにも属さない「日和見菌」の3種に大別されます。そして、これらの常在バランスが重要で、善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7が理想の腸内環境といえます。善玉菌の働きとしては、ビタミン・ホルモン・アミノ酸を生成して老化を防ぎ、腸内フローラのバランスを整えます。また、人体に有害菌や病原菌の侵入・増殖・感染を防ぎ、免疫力を高めて病気になりにくい体をつくります。さらに善玉菌は食べ物の消化吸収を助け、大腸内を酸性に保ち、便秘や下痢を防ぎます。便をつくり送り出す働き(蠕動運動)を促し、便がカチカチにならないように働きかけるため、便秘症状の人は善玉菌が不足しているといえます。これらの善玉菌の働きとは反対に悪玉菌は食物の動物性タンパクを腐敗させ、有害物質を発生させ、さらに炎症性や発がん性のある物質をつくる働きがあります。悪玉菌は小腸で消化しきれなかったタンパク質や脂肪の残骸を好んで食べて増殖をします。また、下痢や便秘、ガスを溜め込むなどの悪さをし、下痢による体力低下や便秘による肌荒れなどを二次的に引き起こします。風邪を引いたときなども悪玉菌の常在数が善玉菌をはるかに上回り、バランスが崩れているのです。そして、良い働きも悪い働きもしない日和見菌は大人しい静かな菌なのですが、それは善玉菌が多いときの状態で、悪玉菌が増えると加勢して有害な作用を及ぼすのが特性があります。日和見菌は善玉菌や悪玉菌の影響を受けて働きが変化するのです。しかしながら、日和見菌にはまだまだ解明されてない未知なる部分があるとされています。OLYMPUS DIGITAL CAMERA