6月17日(水)に第17回健康づくり教室を開催させていただきました。
今回は「腸内フローラ」についてです。私たちの腸内にはたくさんの細菌がすみついています。細菌といっても害を与えるだけではありません。特に大腸内には100種類以上で100兆個以上の腸内細菌が常在しています。小腸の終わりの部分(回腸)から大腸にかけて多種多様の細菌が種類ごとにまとまりをつくって、びっしりと腸内に壁面をつくって生息している状態です。この様相は、まるで植物が種類ごとに集団をつくって群れているお花畑の様子ともたとえられ、これらを「腸内フローラ(腸内細菌叢/ちょうないさいきんそう)」と呼ばれているのです。その腸内細菌を大きく分類すると、乳酸菌・ビフィズス菌などのような「善玉菌」、ウェルシュ菌・ブドウ球菌・有毒大腸菌などのような「悪玉菌」、どちらともにも属さない「日和見菌」の3種に大別されます。そして、これらの常在バランスが重要で、善玉菌:悪玉菌:日和見菌=2:1:7が理想の腸内環境といえます。善玉菌の働きとしては、ビタミン・ホルモン・アミノ酸を生成して老化を防ぎ、腸内フローラのバランスを整えます。また、人体に有害菌や病原菌の侵入・増殖・感染を防ぎ、免疫力を高めて病気になりにくい体をつくります。さらに善玉菌は食べ物の消化吸収を助け、大腸内を酸性に保ち、便秘や下痢を防ぎます。便をつくり送り出す働き(蠕動運動)を促し、便がカチカチにならないように働きかけるため、便秘症状の人は善玉菌が不足しているといえます。これらの善玉菌の働きとは反対に悪玉菌は食物の動物性タンパクを腐敗させ、有害物質を発生させ、さらに炎症性や発がん性のある物質をつくる働きがあります。悪玉菌は小腸で消化しきれなかったタンパク質や脂肪の残骸を好んで食べて増殖をします。また、下痢や便秘、ガスを溜め込むなどの悪さをし、下痢による体力低下や便秘による肌荒れなどを二次的に引き起こします。風邪を引いたときなども悪玉菌の常在数が善玉菌をはるかに上回り、バランスが崩れているのです。そして、良い働きも悪い働きもしない日和見菌は大人しい静かな菌なのですが、それは善玉菌が多いときの状態で、悪玉菌が増えると加勢して有害な作用を及ぼすのが特性があります。日和見菌は善玉菌や悪玉菌の影響を受けて働きが変化するのです。しかしながら、日和見菌にはまだまだ解明されてない未知なる部分があるとされています。